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【図解でわかる】錠(じょう)・鍵(かぎ)・錠前(じょうまえ)の違いをスッキリ解説!
「家の鍵を交換したい」と考えたとき、実は「錠」や「錠前」など、似ているようで違う言葉があります。それぞれの意味と関係性を知ると、鍵屋さんに相談する際もスムーズです。
錠(じょう/ロック:LOCK)
扉や金庫などを閉ざす装置「錠」。
扉や引き出しに取り付け、施錠するための「装置本体」のことです。
大切なものを守るため、許可された人以外は開けられないようにする役割があります。身近な例としては「南京錠」が分かりやすいでしょう。
鍵(かぎ/キー:KEY)
錠を操作し、開閉操作をするための物「鍵」
錠(LOCK)を施錠・解錠するために使う「道具」のことです。(例:家の鍵、車の鍵)
一般的に「錠」と同じ意味で使われることもありますが、本来は「錠を操作し、開けるための道具」を指します。「ナゾをとく鍵」や「キーポイント」といった比喩表現は、この本来の意味から来ています。
錠 前(ロックセット/LOCK&KEY)
扉についている錠(LOCK)と鍵(KEY)がセットになって「錠前」。
錠(LOCK)と鍵(KEY)を合わせた「一式のセット」を指します。
より正確には、ドアノブ、シリンダー(鍵穴)、サムターン(内側のつまみ)といった関連部品すべてを含めた総称が「錠前」です。鍵屋さんで「錠前を交換する」と言う場合は、この一式を指すことが一般的です。
(下図参照:錠前の各部名称)

サムターン(Thumbturn)
ドアの内側(室内側)に取り付けられた、錠を操作するためのツマミ(回転式の金具)。主に親指(thumb)でつまんで、回す(turn)ことで施錠・解錠を行います。
室内から鍵を使わずに操作できるため非常に便利ですが、同時に空き巣の侵入経路として狙われる、防犯上の弱点にもなり得ますので注意が必要です。
錠ケース(じょうケース・別名:ロックケース/Lock Case)
ドアの内部に掘り込んで取り付けられる錠前の本体部分です。シリンダー(鍵穴)やサムターン、ドアノブ(レバーハンドル)と連動し、その操作によって内部の機構が作動し、デッドボルト(かんぬき)やラッチボルトを動かす役割を担っています。錠前の主要な機械部品が納められている心臓部であり、経年劣化により交換が必要となる場合があります。
ラッチボルト (Latch Bolt)
ドアの仮止め用ボルト。先端が斜めにカットされており、ドアノブやレバーハンドルの操作に連動して錠ケースに出入りします。ドアが風圧等で開いてしまうのを防ぐ役割を持っています。
ストライク (Strike / Strike Plate)
ドア枠側に設置される、錠受け金具のこと。ラッチボルトおよびデッドボルト(かんぬき)が収まるための穴が開いており、これらを受け止めてドアを固定しています。
レバーハンドル (Lever Handle)
てこの原理を利用した、棒(レバー)状のドアハンドル。
ハンドルを上下に操作することで、錠ケース内部のラッチボルトを動かし、ドアを開閉します。握って回す必要がないため、小さな力で操作でき、バリアフリー性に優れています。
対義語は「ドアノブ」「握り玉(にぎりだま)」などがあります。
鍵の交換とは?「シリンダー交換」ってなに?
引っ越し時などに行う「鍵の交換」。
これは一般的に、鍵を差し込む「鍵穴」部分の部品(シリンダー)を交換する作業のことを指します。
シリンダーとは、鍵を差し込む「鍵穴」から、その奥にある「錠(錠前)」の内部機構を動かすための中核部品です。
円筒形(シリンダー)の形をしており、内部は正しい鍵が差し込まれたときだけ回転する精密な構造になっています。この組み合わせの総数を「鍵違い数(かぎちがいすう)」と呼び、高性能なシリンダーでは数億~数千億通りにも達します。この膨大な組み合わせがあるからこそ、自分の鍵で他人の家が開いてしまうようなことが起こらないのです。