一般社団法人 カギの110番・カギの救急車

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玄関の鍵が回らない・固い!原因と自分でできる対処法

急に鍵が回らなくなってしまった!どうすればいい?

 「最近、カギが回りにくくなった、抜き差しが固い」なんて感じたことはありませんか?日常生活に欠かせない鍵だからこそ、突然のトラブルには不安を感じるものです。しかし、原因を理解し、適切な対処法を知っていれば、自力で問題を解決することが可能です。このような知識を持つことで、鍵トラブルが発生した際に慌てず冷静に対処できるだけでなく、さらに問題の進行を防ぐこともできます。

 

鍵は刺さるけど回らない原因

 「鍵穴に鍵は入るけれど回らない!」このような状況の原因を調べるには、まず鍵と鍵穴の状態をしっかり観察することが大切です。原因が特定できたら、それに応じた対処法を試みましょう。

【鍵穴に鍵が入るけど回らない場合の主な原因】

  • 🔑鍵自体の問題
    • 摩耗や変形により、鍵が本来の形状を失っている。
    • 鍵に汚れが付着している。
  • 🔒鍵穴(シリンダー)の問題
    • 鍵穴に汚れやサビ溜まっている。
    • 潤滑剤が不足しているため、スムーズな動作が妨げられている。
    • シリンダーが故障している。
  • その他の原因
    • ストライクプレート(鍵がかみ合う部分)がズレてしまっている。
    • 使用している鍵が間違っている(似た鍵を使用している場合など)。

 

鍵は入るけど回らない時、自分でできる対処法

 鍵を無理に回してしまうと、鍵自体が曲がったり折れたりするリスクがあります。特に鍵が鍵穴の中で折れてしまった場合、その破片を取り出すのは非常に困難です。このような状況では、鍵穴の内部に傷が付くこともあり、結果的にシリンダー交換が必要になる場合もあります。これにより、想定外の費用や手間がかかる可能性があるため、無理な力を加えないよう注意が必要です。

  

①使用している鍵を確認、他の合鍵・スペアキーを使ってみる

 鍵が回らない場合、まずは使用している鍵が正しいかを確認することが重要です。鍵穴に合わない別の鍵を挿し込んでいる可能性も考えられます。特に、複数の鍵をひとつのキーホルダーにまとめている場合、似た形の鍵を誤って使ってしまうことがよくあります。

確認ポイント

  • 使用している鍵がその場所の鍵かを再確認。
  • 形状やサイズが似ている鍵が複数ある場合は、正しい鍵を選んで再度試してみてください。

 鍵に間違いがない場合はほかの合鍵🔑(スペアキー)を使ってみてください。ほかの合鍵(スペアキー)を試してみることは効果的な解決策のひとつです。特に鍵が変形している場合、鍵穴自体には問題がないケースもあります。そのため、合鍵(スペアキー)を使用することでスムーズに回る可能性があります。

 また、鍵が曲がっているなどの目に見える損傷がなくても、長年の使用による摩耗が原因で回らなくなることがあります。鍵の素材が劣化すると、元の形状や機能が損なわれるため、これがトラブルの原因になることがあります。同じ鍵を長期間使用している場合には、合鍵(スペアキー)を試して問題が解消されるか確認してみてください。

 

②🔒鍵穴と🔑鍵の汚れを掃除する

 一見何の問題もないように見えても、長期間メンテナンスを怠った鍵穴の奥には、土埃や汚れが溜まっていることがあります。これらの汚れが鍵の回転を妨げ、カギトラブルの原因となることも少なくありません。まずは鍵穴の状態を確認し、適切な方法で清掃することが大切です。

🔒鍵穴の掃除方法
鍵穴の奥にたまった汚れを取り除くためには、エアダスターや掃除機を活用すると効果的です。エアダスターを使用する際には、鍵穴にノズルを挿し込み、数秒間吹きかけて中のゴミを飛ばしてください。

 また、掃除機を使用する場合は、ノズルを鍵穴に軽く当てることで細かいゴミを吸い取ることができます。どちらの方法も、力を入れず丁寧に行うことがポイントです。

🔑鍵の掃除方法

 鍵に汚れが付着している場合は、まず乾いた古い歯ブラシを使って、優しくブラッシングを行いましょう。特に、防犯性が高いことで知られるディンプルキー(くぼみのある鍵)は、その形状ゆえに汚れが溜まりやすく、故障の原因となりやすいため、細部まで丁寧にブラッシングすることが重要です。

 使用済みの歯ブラシでも問題はありませんが、乾いた状態で使用することがポイントです。これにより、ホコリや砂が固まりにくく、効果的に汚れを取り除くことができます。また、鍵の表面や溝をブラッシングすることで、汚れをしっかり除去し、鍵が正常に動作する状態を保つことが可能です。

 さらに布で拭き取る作業もおすすめです。汚れを除去しやすいマイクロファイバークロスが最適ですが、手元にない場合は、柔らかいハンカチやタオルで代用できます。鍵の凸凹部分を中心に細かく拭き、清潔な状態を保つよう心掛けましょう。

 

③鍵穴専用の潤滑剤を使ってみる

 鍵穴の掃除を行っても鍵が回らない場合には、潤滑剤を使用することで解決できる可能性があります。潤滑剤は手軽に購入できるうえ、費用も数百円程度と手頃です。ただし、購入する際には鍵穴専用の製品を選ぶことが重要です。一般的な潤滑剤や油分を含む製品を使用すると、鍵穴内部が汚れやすくなり、逆にトラブルの原因となることがあるため注意しましょう。

潤滑剤の使用手順
 まずは鍵穴の掃除を済ませてから潤滑剤を使用します。鍵穴専用潤滑剤を鍵穴に吹きかけたら、鍵を数回抜き差しして馴染ませましょう。これにより、潤滑剤が鍵穴全体に行き渡り、鍵がスムーズに回る可能性が高まります。その後、鍵が正常に回るかどうかを確認してみてください。

※鍵にはカギの潤滑剤「カギQトリオの潤滑剤」

濡れた鍵穴への対処
 また、鍵穴が雨などで濡れている場合には、潤滑剤を使用する前に必ず乾燥させておく必要があります。濡れた状態で潤滑剤を使用すると、内部がさらに汚れてしまい、ホコリが付きやすくなる恐れがあります。ドライヤーやハンディ扇風機を活用して鍵穴を乾かした後、潤滑剤を使用するようにしてください。

 

やってはいけないNG行動

鍵を無理やり回さないでください

 鍵が回らないからといって、無理やり力を入れて回そうとするのはとても危険です。無理に回そうとすると、鍵が曲がったり、最悪の場合は折れてしまう可能性があります。それだけでなく、鍵穴の内部が傷ついてしまうリスクも高まり、結果的にシリンダーごと交換が必要になることも…。

針金や木の枝などを入れても映画のようには開きません

 テレビや映画の真似をして、自分でピッキングを試みることは絶対に避けてください。意外だと思われますが、お子様などが困ったときにはよくやってしまうトラブルです。ピッキングは専門的な工具と高度な技術を必要とする作業であり、素人が行うと鍵穴を傷つけてしまうリスクが高まります。鍵穴を損傷させると、さらなる修理や交換が必要になり、結果的に大きな手間や費用がかかる可能性があります。

鍵穴専用潤滑剤以外の潤滑剤(シリコンスプレー・CRCスプレー)を使用しないで!

 シリコンスプレー等、手元にある潤滑剤を使ってしまうトラブルもよくあります。一時的にトラブルが改善するように感じるので問題ないとおもわれがちですが、鍵穴専用に作られているわけではなく、油分が過剰なため粘着度が高く、鍵穴内部に長期間留まることでホコリや汚れを吸着しやすくなります。これが原因で鍵穴内部部品が固着、かえってトラブルを招く可能性がありますのでご注意下さい。

※KURE5-56を使用するのはNGです。

ディンプルキーと呼ばれる種類やその他の複雑な構造の鍵では油分によってホコリや汚れが鍵穴内部に堆積し、鍵が正常に作動しなくなる場合がありますのでご使用はお控えください。」(引用 呉工業株式会社:https://www.kure.com/5-56series/faq/

 万が一シリコンスプレーを既に使用してしまった場合は、鍵穴内部の清掃を専門業者へ依頼することをご検討下さい。鍵穴のトラブルを防ぐためにも、適切な製品を使用してメンテナンスを行いましょう。