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【知らなきゃ損】鍵交換の費用、補助金で安くなる!自治体の制度活用ガイド

 防犯意識の高まりを受け、多くの自治体で住民の安全な暮らしを支援するため「防犯対策補助金制度」が導入されています。この制度は、鍵の交換を含む防犯設備の導入にかかる費用の一部を補助するもので、お住まいの地域によって内容や条件が異なります。

 

鍵交換は補助対象となるか

 多くの自治体では、鍵交換が補助対象となっています。特に、防犯性能の高い鍵・錠前への交換は、空き巣や侵入犯罪の抑止に効果があるとされており、補助対象として明記されているケースが多いです。 

 補助対象となることが多い鍵・防犯部品の例:

  • ピッキング対策済みのディンプルキー: 鍵の表面に深さや大きさの異なるくぼみ(ディンプル)があり、従来のギザギザした鍵に比べて構造が複雑なため、対ピッキング性能が高く(ピッキング:特殊な工具で不正に解錠すること)、解錠することが非常に困難です。
  • サムターン回し防止機能付きの錠前: サムターンとは、室内側から鍵の開け閉めを行うためのつまみのことです。「サムターン回し」は、ドアの外側からドリルで穴を開けたり、ドアスコープや郵便受けを悪用したりして、器具を差し込みサムターンを回して侵入する手口です。 これを防ぐため、つまみ部分が空転する機能や、ボタンを押さないと回せない機能が付いたもの、または取り外し可能な防犯サムターンなどがあります。
  • 補助錠の新規設置: 主錠に加えてもう一つ鍵を取り付けることで、侵入に時間がかかるようにさせる効果と、見た目で防犯意識の高い家だとわかり、犯罪を未然に防ぐ効果が期待できます。
  • ガードプレートやサムターンカバーなどの防犯部品: ガードプレートはドアとドア枠の隙間をふさぎ、こじ開けを防ぎます。サムターンカバーは、外部からサムターンを直接操作されるのを防ぐための部品です。

 これらの設備は、空き巣などの侵入犯罪を抑止する効果が認められており、実際に警察庁なども対策として推奨しています。

 

自治体による制度内容の違い

 補助金制度の有無や内容は、自治体によって大きく異なります。お住まいの自治体の制度を確認することが重要です。

  • 東京都港区の例: 玄関の錠の交換や補助錠の設置など、住まいの防犯対策にかかった費用(5千円以上)の4分の3(上限4万円)を助成しています。
  • 大阪府堺市の例: 堺市内に居住する一戸建て住宅の所有者(賃貸住宅は対象外)の防犯対策として、鍵交換や補助錠の設置費用に対し最大2万円の補助金が支給されます。工事完了後でも申請可能ですが、領収書や施工内容の証明書類が必要です。
  • 栃木県宇都宮市の例: 宇都宮市では、鍵交換単体を対象とした補助制度は明確には設けられていませんが、「住宅改修事業費補助金」により、防犯性向上を目的とした鍵交換が対象となる可能性があります。補助率は工事費の10%、上限10万円。事前に宇都宮市住宅政策課へ相談が必要です。

 このように、補助率や上限額、対象となる条件(例:区内での購入・設置が必須など)は様々です。

 

防犯診断の活用

 自治体によっては、補助金制度とは別に、専門家による無料の防犯診断を実施している場合があります。 例えば、東京都杉並区では、区の職員が自宅を訪問し、防犯上の問題点を診断してアドバイスを行うサービスを提供しています。 こうしたサービスを活用し、自宅のどこに防犯上の弱点があるのかを把握した上で、必要な対策に補助金を利用するのが効果的です。

 

補助金の一般的な申請手順

 補助金制度の有無や内容は、自治体によって大きく異なります。お住まいの自治体の制度を確認することが重要です。

STEP 1:自治体の制度を調べる

まず、お住まいの市区町村のウェブサイトや役所の窓口で、補助金制度があるかを確認します。

STEP 2:見積もり依頼と工事の実施

制度の対象となる鍵交換や防犯対策、条件を確認した上で、業者に工事を依頼します。

STEP 3:必要書類を揃えて申請

自治体のウェブサイトなどから申請書を入手し、必要事項を記入します。STEP2で確認した見積もりや領収書と一緒に窓口へ提出(または郵送)します。

STEP 4:審査完了後、入金

提出した書類が審査され、不備がなければ「交付決定通知書」が届きます。その後、1〜2ヶ月ほどで指定した銀行口座に補助金が振り込まれます。

 

ご利用にあたっての注意点

  • 必ずお住まいの自治体に確認: 制度の有無、申請期間、対象となる製品や工事の条件、必要な書類(見積書、領収書、施工前後の写真など)は、必ず自治体のウェブサイトや担当窓口で事前に確認してください。
  • 申請のタイミング: 多くの自治体では、防犯設備の設置後に申請を受け付けています。
  • 予算の上限: 自治体の補助金は予算が定められている場合が多く、申請期間内であっても予算に達し次第、受付を終了することがあります。

 防犯対策を検討される際は、まずお住まいの自治体の情報を確認し、これらの制度を賢く活用することをお勧めします。

 

鍵交換の補助金制度 Q&A

Q. 補助金制度は、誰でも利用できますか?

A. お住まいの自治体に住民登録があり、税金を滞納していない方であれば、多くの場合で対象となります。ただし、「申請者名義の住宅であること」などの条件が付く場合もあるため、必ずお住まいの自治体の要項を確認してください。

 

Q. どのくらいの金額が補助されるのですか?

A. 自治体によって大きく異なりますが、一般的には「かかった費用の2分の1で、上限1万円~4万円」といったケースが多いです。例えば、4万円の鍵交換工事を行った場合、2万円が補助されるイメージです。

 

Q. どのような鍵への交換が対象になりますか?

A. ピッキングなどの不正解錠に強い、防犯性能の高い鍵(CPマーク付き製品やスマートロックも一部自治体で対象)が対象となります。

  • 対象となる例:
    • ディンプルキーへの交換
    • 補助錠(ワンドア・ツーロックにするための鍵)の新規設置
    • サムターン回しを防ぐ機能が付いた錠前への交換

 

Q. 賃貸マンションやアパートでも申請できますか?

A. 申請できる可能性はありますが、必ず事前に大家さんや管理会社の許可が必要です。鍵は物件の設備の一部であるため、無断で交換することはできません。また、自治体によっては「住宅の所有者」を申請条件としている場合もあります。

 

Q. 申請はいつ、どのタイミングですれば良いですか?

A. 【最重要】工事が完了し、支払いを済ませた後に申請するのが一般的です。申請時に領収書や施工後の写真が必要になるためです。「支払い日から90日以内に申請」などの条件がある場合もあります。ただし、稀に工事前の申請が必要な自治体もあるため、必ず最初に自治体のルールを確認してください。

 

Q. 通販サイトで鍵を買って、自分で取り付けた場合も対象になりますか?

A. 対象外となる可能性が高いです。多くの自治体では、「自治体内の施工業者による工事であること」を条件としています。自分で取り付けた場合や、領収書が発行されない個人間の取引は対象外となることがほとんどです。

 

Q. 申請で失敗しないためのポイントは何ですか?

A. 以下の3点を必ず守ることが重要です。

  1. 【動く前に確認】 まずはお住まいの自治体のウェブサイトを見るか、電話で問い合わせ、制度の有無や条件を確認する。
  2. 【書類は必ず保管】 「見積書」「領収書」「施工前後の写真」は申請の必須アイテムです。絶対に無くさないようにしましょう。
  3. 【期限を意識する】 申請期間は限られており、予算の上限に達すると早期に締め切られることもあります。早めに手続きを進めましょう。

 

防犯対策補助金の今後

 近年、スマートロックやスマートフォン連動型インターホンなど、IoT技術を活用した防犯機器が急速に普及しています。今後の補助制度では、こうした先進的な機器も対象に含めることで、都市部の集合住宅から郊外の戸建住宅まで、幅広い住環境に対応した防犯対策が可能となります。技術革新に即した柔軟な支援が、住民の安心感と利便性を高める鍵となるでしょう。

1. 最新の防犯技術への対応と支援の柔軟化

 IoT技術を活用したスマートロックや、スマートフォンと連動するインターホンなど、新しい防犯機器が次々と登場しています。今後の補助金制度では、こうした最新技術も対象に加えるなど、時代の変化に応じた柔軟な対応が期待されます。これにより、都市部のマンションから郊外の一戸建てまで、多様な住環境やライフスタイルに合わせた最適な防犯対策が実現しやすくなるでしょう。

2. 補助対象の拡大と支援額の強化

 現行制度では、鍵や錠前の交換が中心ですが、今後は窓用防犯フィルム、センサーライト、家庭用防犯カメラなど、より多様な設備を補助対象に加えることが求められます。これにより、住民は自宅の構造や生活スタイルに応じた最適な対策を選択しやすくなります。また、物価上昇や設備の高機能化を踏まえ、助成率や上限額の引き上げを行うことで、より質の高い防犯対策の普及が期待されます。

3. 申請手続きの簡素化とデジタル化

 制度の利用促進には、申請手続きの利便性向上が不可欠です。今後は、マイナンバーカードとの連携によるオンライン申請の導入や、添付書類の簡素化など、誰もが手軽に利用できる仕組みづくりが求められます。申請のハードルを下げることで、これまで制度に関心がなかった層にも利用が広がり、地域全体の防犯意識の向上につながるでしょう。

 これらの変化を通じて、防犯対策補助金は、住民一人ひとりが主体的に安全な暮らしを築くための、より身近で強力なツールへと進化していくことが期待されます。

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